独学、英文読解のための国語力

 

英語学習塾なのに国語の項目がでて、不思議に思われた方もいるかもしれせん。独学するためには、英語について日本語で書いてあることを、しっかりと理解する必要があります。当たり前だと思われるかもしれませんが、10年間教えてきて、国語力に問題があるため、英語の勉強が滞る方が多いことに気づいてきました。

例えば単語一つとっても、英単語のbookを見れば、頭の中で四角くて紙に文字が沢山プリントされているもの。表紙には、タイトルと絵が描かれているなんてことがイメージとして浮かび上がると思います。それは、日本語で『本』という字を見て浮かぶイメージと同じものでしょう。ですが、抽象的な言葉、例えばconceptcontraststructurerationalの単語を見て、それぞれ概念、対照、構造、理性的なという日本語は出てきたとして、『本』と同じようにイメージが鮮明に浮かぶでしょうか?日本語の『概念』という言葉に素早く反応できなければ、英語のconceptが概念だと分かっても、本を読んでいるときに内容が不明瞭になってしまって当然です。日本語で書かれている本を読んで理解できる程度までしか英語で書かれている本を読んでも理解できないのです。

大学受験生であれば、答えさえ合っていれば構わない。英語の問題の長文を理解できなくても問題ないかもしれません。しかし、大人になって洋書を読みたいという志をもたれたからには、内容を理解したいのだと思います。

また、勉強するために読んでいる参考書の意味も正確に捉えられませんので、ついつい暗記に流れてしまう。理解のともなわない暗記は、長期記憶にはなりません。強引に暗記すれば、ある程度は暗記できますが、ちょっと英語から遠ざかれば全て忘れてしまいます。もちろん、理解して暗記したとしても、英語から遠ざかる時間が長ければ忘れてしまうでしょう。しかし、一度理解しているものは、思い出すのが早いものです。ああ、これ昔やったなと感じられるものであり、再度勉強しなおせば短期間で元に戻すことも可能です。

学校教育は良くも悪くもテストで評価をつけなければいけないので、暗記重視になりがちです。そのため大学受験する、しないに関わらず暗記こそ勉強となっていて、理解するための勉強、しいては理解するための国語力が育っているか分からないまま大人になってしまうのです。

参考書の意味が分からない。勉強しても伸びないと悩まれているのであれば、理解力としての国語力に問題がないか疑ってみて下さい。

 

 

前置きが長くなりましたが、では、どうすれば読解力を主とする国語力が身に付くのでしょうか。

〇文法を勉強しなおす。

 小学生用の本や漫画でも構いませんので文法の本を一読してみてください。

これは、英語の文法の理解にも一役買います。英語と日本語の文法の違いに気を配りながら勉強することで、日本語、英語両方の文法に対する意識が高まります。

 

〇本を音読する。

 誰か聞き役がいれば、聞いてもらいましょう。一人しかいない場合は、ICレコーダー等で録音されると良いでしょう。音読がスムーズで意味の区切れで、しっかり区切ることができるのであれば、意味を理解しながら読んでいる証拠です。つっかえたり、本の内容が伝わらないような音読であれば、その本を理解できてないはずなので、繰り返し読んでみましょう。繰り返すことで、実は曖昧だった語彙があることが分かります。その際は、必ず辞書で意味を調べてから音読の練習をすると、意味が分かって音読も滑らかになります。

 

〇本を読み、その内容を要約する。

 最初は子供向けの本から始めることをお勧めします。もし、誰か家族や友人が聞き役になってくれるのであれば、読んだ本の内容を語ってください。一人の場合は、紙に書き出しましょう。長い本の場合は、1章ごとでも構いません。本の字面だけをなぞって、理解が伴わない場合は、内容を語れないことが分かるでしょう。ただし、自分の知らない専門知識についての本等だと、内容を語るのは難しいので、読みなれている内容の本でトライしましょう。

 

〇辞書を引く

 分からない言葉が出てきたら、必ず辞書で調べる癖をつけましょう。類推して読む能力もテストの時には必要でしょう。しかし、国語力をつける最中は、あえて知っていると思っている単語でも辞書で調べるくらいの意気込みで引いた方がいいです。思っていたのと違う意味だったなんてこともあるかもしれません。

 

〇語彙を増やす。

 これは、いくつかやり方があります。一つ目は子供用の辞書を読書します。最初から最後まで普通の本のように読んでください。小学生用の辞書でも知らない言葉や、知ってはいても、日ごろあまり使用しない言葉がでてきて、勉強になります。二つ目は子供用の語彙のドリルを買ってきて、解くことです。そして解くだけでなく、その語彙を使って、短文を作文してください。

 

〇本を書き写す。

 本でなくても、新聞でもいいのですが、必ず手書きで書き写してください。これも、あまり自分にとって難しい本はお勧めしません。PCばかり使用していると漢字を忘れてしまいがちですが、漢字を思い出す練習にもなります。本の内容は基本的には自由ですが、簡単だけど、崩れていない日本語で書かれている本がお勧めです。