『ビジュアル英文解釈』の勉強方法 対話篇
ラッコちゃん:今日は『ビジュアル英文解釈』の勉強の仕方について教えてください。
ゆみこ先生:それなら、能力開発工房のホームページの勉強方法から『ビジュアル英文解釈』を選択すれば分かるわよ。
ラッコちゃん:だから…もっと分かりやすく解説して欲しくて対話型やるんでしょ?
ゆみこ先生:そうでした。では本の概要をサックリ説明するところから行きましょう。
ラッコちゃん:はい。お願いします。
『ビジュアル英文解釈』の概要
ゆみこ先生:このテキストは私が大大大好きな伊藤和夫先生の書かれた本です。
先生は、最初は『英文解釈教室』を書いたのよね。
今は『英文解釈教室 正編』と呼ばれることが多いけど、それは難しすぎるって言われて、どんどんレベルを下げたからなの。
ラッコちゃん:だから『英文解釈教室 基礎編』や『英文解釈教室 入門編』が後から出ているんだね。
ゆみこ先生:そうなのよ。
レベルを落としたって言っても、『英文解釈教室』正編レベルまで出来なくても東大に合格するレベルにはいくので、入門や基礎をバカにしてはいけないわね。
ラッコちゃん:ということは、『英文解釈教室 基礎編』でも合格するってこと?
ゆみこ先生:それどころか『英文解釈教室 入門編』でも、全てを理解できれば大学受験する力はあると思うわ。
個人的にはMARCHレベルならいけると思っています。
ただし、きちんと内容を把握すれば…だけどね。
ラッコちゃん:ふーん。
ゆみこ先生:最初から脱線したので話を戻すけど、『ビジュアル英文解釈』は、教室シリーズを更に生徒のために進化させて学んだことを定着させやすい仕掛けつきの本になっているの。
ラッコちゃん:勉強は定着させないと意味がないもんね。
ゆみこ先生:そうそう。一夜漬けで何とかなるのは学期末試験くらいよ。
ラッコちゃん:耳が痛い…。
ゆみこ先生:まあまあ。とりあえず過去のことは忘れて、新たな気持ちで勉強していきましょう。
ラッコちゃん:は~い。
ちゃんと読んでいますか? はしがきと目次
ゆみこ先生:では、はしがきから行きます。
ラッコちゃん:はしがき? そういうのは飛ばして、早く本文に行こうよ。
ゆみこ先生:ブッブー いきなり本文に行くよりも、きちんとはしがきと目次に眼を通すことが大切なんです。
ラッコちゃん:はしがきだけじゃなく、目次も?!
ゆみこ先生:そうよ。勉強する時は全体像を掴むのが大切なの。
だから、できることなら本を速読して大体こんなことが書かれているな~ってイメージを掴めるといいんだけど、英語のために速読習わなくても目次という素晴らしいものがあるから、それで代用するの。
ラッコちゃん:でも、目次見ても何が何やら分からないんだけど…。
ゆみこ先生:それでも構わないわ。それでも気づく点が何かあるでしょう?
ラッコちゃん:ん~ そうだな… 関係代名詞とか比較とか文法用語が書かれている?
ゆみこ先生:そうね。つまり伊藤和夫先生は文法を軸にこの参考書が書かれていることが分かるわけ。
ラッコちゃん:なるほどね。
ゆみこ先生:他の本でも小説以外は目次に眼をサッと通す習慣をつけるといいわよ。
元速読講師の私が言うんだから。
ラッコちゃん:分かった。
ゆみこ先生:はしがきを読むのが大切なのも分かるわよね。
この本がどういう趣旨で書かれたかを著者が解説してくれるんだから、ありがたいわよ。
ラッコちゃん:そっか…。 今まで参考書を選ぶとき、適当なページを開いて、なんとなく絵があって分かりやすいとか適当に選んでいたけど、もしかしてはしがき読んだ方が良かったのかも。
ゆみこ先生:いいことに気が付いたわね。
それと、こういう参考書だと勉強の仕方や、注意事項みたいなのも書かれているから必ず目を通して欲しい。
それも1回じゃなく3回くらい。
ラッコちゃん:3回?
ゆみこ先生:そりゃあ1回で把握できればいいけど、なかなかね…。
覚えて置いた方がいいポイントが書かれていたりすることもあるじゃない?
ラッコちゃん:あるんだ…
ゆみこ先生:そうなのよ。でも、暗記しようとすると全体が掴めなくなる。
だから、気楽な気持ちで3回読むと思う方が全体が掴めて覚えるべきところも覚えやすい。
ラッコちゃん:でも、やっぱり覚える必要があるのか…
ゆみこ先生:そうね。
でも、しっかり覚えるというより、はしがきのあの辺りに書いてあったなって程度でいいのよ。
はしがきは逃げないから…
ラッコちゃん:その程度でいいのか…
ゆみこ先生:それなら出来そうでしょう?
ラッコちゃん:そうだね。
焦点で分かる?文法の実力
ゆみこ先生:それでは、やっと本文です。
『ビジュアル英文解釈』はPart1とPart2の2冊あって、Part1は35題あるのは目次で確認済だと思う。
それぞれに焦点があって、文法的なことを解説してあります。
ここを読んでね。
ラッコちゃん:ふむふむ。
1の焦点で「前置詞」とか「名詞」とか出てきて頭が痛い…
ゆみこ先生:うーん。この参考書というか伊藤和夫先生が書かれた本は中学英語で出てきた用語が分かっていることが前提なのよね。
ラッコちゃん:ええ? じゃあ、用語が分からなかったらどうするの?
ゆみこ先生:その時は、『ビジュアル英文解釈』の本を脇に置き、先に『英語リーディング教本』で用語のおさらいをすること。
用語だけでなく、例文も難しい場合は『楽しい英文法』で先に中学英語をおさらいする必要があるわね。
ラッコちゃん:まあ、分からないのに読んでも分からないしね。
ゆみこ先生:そうなの。
『ビジュアル英文解釈』でも覚えるべきルールが出てくるけど、それは暗記ではなく理解した上で自然に覚えることを目指しているからね。
ラッコちゃん:そうすると1回サラッと読むだけじゃダメってこと?
ゆみこ先生:人それぞれかな。既に知っている内容なら、確認だけだから1回でいいだろうし、初めて学ぶ事柄なら何回か読む必要があるかもしれないしね。
ラッコちゃん:自分で分かったか分からないかの判断がつかなかったらどうしよう?
ゆみこ先生:その時は、3回読んで先に進むべし。実際の英文に取り組むことで分かることもあるからね。
ラッコちゃん:なんかアバウトな…
ゆみこ先生:勉強はね、細かくいくところと大雑把なところのバランスが大切。
どっちに偏りすぎても進まないのよね。
もしかしたら先生の仕事ってそのバランスを見てあげることかもね。
ラッコちゃん:ふーん。で、焦点読んで理解したらどうするの?
音読?黙読?あなたはどちら派?
ゆみこ先生:英文を3回くらいザーッと読みます。
ラッコちゃん:ザーッと?
ゆみこ先生:そう。音読でもいいわ。
黙読の場合も音読ペースの速さで読んで欲しいの。
ラッコちゃん:いやいや…無理でしょう。
ゆみこ先生:え?どうして? 意味は取らなくていいのよ。
ラッコちゃん:そうなの?
ゆみこ先生:いいの。いいの。
それでも何となく意味がつかめたりするんだけどね。
でも、とにかく読む。ザーッと言っても急ぎ過ぎないでね。
ラッコちゃん:注文が多いな…
ゆみこ先生:ふふふ。確かに…
でもね、勉強ってどこに集中するかが大切なの。
速さに集中しても得られるものは何もない…いや、音読して入れば口の運動ぐらいにはなるかな?
ラッコちゃん:口の運動…
ゆみこ先生:ここでの音読もしくは黙読は、一応意味を取りたいという気持ち。普通に日本語で書かれている文章を読むときと同じ気持ちで臨んで欲しいのよ。
ラッコちゃん:分かった。それで3回読んだとして、次は?
自分でするか、バイトを頼むか、それが問題だ
ゆみこ先生:次は、問題文があるので、それを全部ノートに書き写すかPCで入力する。
ラッコちゃん:うへ。けっこう面倒なんですけど…。
ゆみこ先生:キーボードを打ちなれている社会人とか受験までまだ時間がある場合はいいけど、高校3年生とか浪人生はキツイかもね…。
能力開発工房で受講すればお渡しできるのですが…
ラッコちゃん:ほんと? ちょっと心動いた。
ゆみこ先生:時間が無い人はね。
家族にバイトを頼んでもいいかもね。
でも、TOEFLだってTOEICのSWだってキーボード使って入力するテストだから、時間があれば入力した方がいいかもしれない。
それと、言い忘れましたが、『ビジュアル英文解釈』の勉強はくり返して欲しいので、PCの人はデータを消さないで欲しいし、ノートに書いた人はコピーを取って下さいね。
ラッコちゃん:了解。
今回は時間の都合上(?)打ち込まれたものが手元にあるわけですが…
ゆみこ先生:まあ、料理番組みたいなものね。
オーブン入れたとたんに焼きあがったのが出てくる…と。
ラッコちゃん:それで? これをどうするの?
能力開発工房の真骨頂!構文解析(品詞分解)
ゆみこ先生:ここで構文解析するんで~す。
ラッコちゃん:構文解析? 具体的には?
ゆみこ先生:5文型に分類する場合、何文型になるのかとか、主語はどれかとか、名詞なのか形容詞なのか副詞なのかとか、句なのか節なのかとかを英文の下に書いていくんです。
ラッコちゃん:ああ、それで行間がめっちゃ空いているのか。
ゆみこ先生:そうなんです。
行間の空いている英文のテキストが増えるとコピー取るだけで済むんだけどね。
もし、このホームページに参考書の編集者さんが来ていたら、そこのところよろしくお願いします。
ラッコちゃん:そうだね。ボクもお願いしておくよ。
ゆみこ先生:構文解析の書き方は、薬袋義郎先生の『英語リーディング教本』を参照してね。ラッコちゃん:(構文解析に取り組むラッコちゃん)
ううう。分からないよ。
分からない所がある時はどうするの?
ゆみこ先生:すぐに分からんって諦めて欲しくはないけれど、考えても分からなければ、その場所は飛ばして先に進んで構いません。
ラッコちゃん:分からないって判断できたらすぐ次に行くのじゃダメなの?
ゆみこ先生:人間てね、分からないことが苦手なの。
だから、分からないことがあると答えを探すのよね。
それで、知りたい気持ちがあるから解答を知った時に、すごくホッとして頭に残りやすいのよ。
ラッコちゃん:へ~
ゆみこ先生:でも、分からないから知りたいっていう気持ちが高まるまで待つ必要があるの。
すぐに答えを見ないで考えるという負荷を脳にかけてあげることがポイントなの。
ラッコちゃん:なるほどね。
詰将棋も考えてから回答見ると暗記しやすいもんね。
ゆみこ先生:そうそう。
辞書の使い方知っていますか?
それで一通り終わったら…って、その前に一つ確認だけど、辞書は引いた?
ラッコちゃん:えっ? 辞書見てもいいの?
ゆみこ先生:引いていいわよ。
好きなだけ引いて調べて欲しい。
文法書を使ってもいい。
とにかく自分でできる範囲で調べてね。
ラッコちゃん:文法書は調べ方が分からないよ…。
ゆみこ先生:その場合は辞書だけでいいわ。
文法書は今調べている文法項目が分からないと使いにくいのよね。
その内勉強が進むと分かるようになるので、分からない時は使わなくてもいいわ。
ラッコちゃん:そういうものなのか…
ゆみこ先生:本当は辞書の引き方も分かっていない場合が多いんだけど…
ラッコちゃん:いや、さすがに辞書は分かるよ。
ゆみこ先生:でも、沢山意味がある単語は、どうやって選んでいるの?
ラッコちゃん:適当だよ。
日本語を当てはめてシックリくるものを適当に選ぶものじゃないの?
ゆみこ先生:ブッブー はずれです。
今日2回目だよ。3回になったら鯛焼き買ってもらうからね。
ラッコちゃん:無茶ぶりな…
ゆみこ先生:ちゃんと引くときの思考の仕方があるんです。
ただ、それを説明すると長くなってしまうので割愛します。
伊藤和夫先生の『英文解釈教室 入門編』のQ&A(2)辞書の引き方に書いてありますので参照してください。
ラッコちゃん:(辞書を調べるラッコちゃん)
調べたよ。調べた単語は単語帳を作るべき?
ゆみこ先生:やりたい場合は止めないけれど、英文を書き写したノートや紙の余白に書いておくだけでOK
ラッコちゃん:それだと覚えないんじゃない?
ゆみこ先生:1回しか勉強しないならば覚えない確率の方が高いでしょうね。
でも後で音読する時に覚えられるから大丈夫。
逆を言えば、音読の時には、その単語の意味が分からなければ、何度でも余白に書いた意味を見る必要があるってこと。
ラッコちゃん:つい何でも一発で覚えなきゃと思うけど、繰り返しで覚えるから構える必要ないんだね。
ゆみこ先生:そうよ。勉強することが緊張の時間になったら勉強しようと思うだけでストレスじゃない?
ラッコちゃん:そうだね。
ゆみこ先生:程よい緊張はあった方がいいけど、勉強こそリラックスが大事だと思うのよね。
ラッコちゃん:そうかもしれないね。それで次はどうするの?
このひと手間で英語力に差がつく
ゆみこ先生:英文の中に①受動態、②五文型で分類した中の第5文型(SVOC)を取る動詞、③関係代名詞が出てきたら、作業が発生します。
ラッコちゃん:作業?
ゆみこ先生:そう。
一つずつ説明するわね。
ますは、①受動態。受動態の文は能動態に変形します。
ラッコちゃん:ノートに書くの?
ゆみこ先生:そうね。理想としては受動態の文の近くに書けるスペースがあれば、そこに書いて欲しい。
書く余裕がなければ、受動態の文と離れた場所でも構いません。
ラッコちゃん:これ…byとか省略されていたら主語はどうすんの?
ゆみこ先生:適当に入れていいわよ。They とかね。
時制は一致させてね。
ラッコちゃん:分かった。②第5文型(SVOC)は?
ゆみこ先生:OとCを主語述語にした文を作ります。
書く場所は①と同じように考えて下さい。
ラッコちゃん:これも時制を合わせるの?
ゆみこ先生:基本的にはね。意味を考えて決めてね。
ラッコちゃん:最後の③関係代名詞は?
ゆみこ先生:先行詞を挿入して文を作ります。
ラッコちゃん:関係代名詞で受動態とかあったら?
ゆみこ先生:全部やります。
ラッコちゃん:そうですか…。
書かなくてOK!英文和訳
ゆみこ先生:作業が終わったら英文を和訳します。
紙に書き出さなくてもいいわ。
頭の中で構いません。
ラッコちゃん:いいの?
ゆみこ先生:英文が理解できているかどうかは構文解析で分かるからね。
それと、本当は構文解析中に和訳しないと構文解析ってできないものだから、和訳をせざるを得ないんだけど…
ラッコちゃん:なのに再度和訳する必要があるの?
ゆみこ先生:構文解析だけに気持ちがいくと和訳を同時にするのを忘れちゃう場合が多いのよ。
だから、改めてやる必要があるの。
和訳することで構文を間違えて考えていたことに気づくこともあるでしょう。
ラッコちゃん:ということは、構文解析を元に和訳するんだね。
ゆみこ先生:もちろんです。
英文だけ見て一から和訳するんじゃなくて、構文解析した通りに和訳するってこと。
ラッコちゃん:その方が楽そうだね。
ゆみこ先生:そうよ。
面倒くさいは禁句のReview
次はいよいよ研究にはいります。
最初の頃は出てこないけど、研究の解説に入る前にReviewの項目があるの。
そこでは、前に出てきた英文で今取り組んでいる課題文の参考になる英文が書かれているので、その英文を構文解析してくださいね。
ラッコちゃん:英文は、これまたノートに書き写すの?
ゆみこ先生:頭の中でも構わないわ。
だって、既に解説まできっちり分かっている文のはずだから。
ラッコちゃん:もし、分からなかったら?
ゆみこ先生:そしたら、テキストにどこの英文を参照されているのかが書かれているので、必ず戻って解説を読んでね。
その時は、英文をノートに書いて構文解析を書き込む方がいいわね。
ラッコちゃん:どこを見ればいいのか書いてあるのは助かるね。
ゆみこ先生:本当に伊藤和夫先生は至れり尽くせりよね。
これで復習が自動的にできる仕組みだからReviewをおろそかにしないでね。
ラッコちゃん:伊藤先生の生徒への愛に応えるためにも、Reviewも真面目に取り組みます。
ゆみこ先生:そうね。伊藤和夫先生も天国で喜んで下さると思うわ。
研究(解説)を読んで伊藤和夫先生の頭の中を覗こう
次は研究の解説に進みます。
ラッコちゃん:研究は何をすればいいの?
ゆみこ先生:研究には英文の解説が書かれているから、自分が書いた構文解析と見比べて、間違えていた所や分からなかった所を赤で直していくの。
ラッコちゃん:赤で書くと間違えたことが強調されて気持ちが萎えそう…
ゆみこ先生:赤でなくてもいいけど色を変えて欲しいのよ。
後で音読する時に、そこに注意できるでしょう?
そうでないと、解説を読んで分かったのに、最初から分かっていたと勘違いするというか…そう思いたい気持ちに引っ張られるというか…
ラッコちゃん:とにかく色を変えて分かるようにします…
ゆみこ先生:そうですね。
ラッコちゃん:それにしても…伊藤和夫先生の解説に出てくる日本語は難しいと思う人も多いんじゃない?
ゆみこ先生:今の若い人には馴染みのない表現もあるかもしれないわね。
でも、分からない言葉は必ず調べて欲しいの。
文法用語なら文法書、普通の日本語なら辞書を使ってね。
ラッコちゃん:日本語の辞書?
ゆみこ先生:そうよ。
だって、分からない言葉をそのままにしても理解できないか、勘違いして理解するかのどちらかじゃない?
ラッコちゃん:前後から推測とかは?
ゆみこ先生:推測して、こんな意味かなと思ったところで辞書を引けばいいじゃない。
ラッコちゃん:そりゃそうだけど…
ゆみこ先生:どんな教科も日本語力以上には伸びません。
ラッコちゃん:そうかもしれないけど、勉強に時間がかかりそう…
ゆみこ先生:そうね。
『ビジュアル英文解釈』をきちんと勉強するだけで結構時間がかかるはず。それでいいのよ。
ラッコちゃん:でも、受験生だったら悠長にやる時間はないでしょう?
ゆみこ先生:じゃあ、尋ねるけど、英語をせっかく勉強したのに受験終わったら全て忘れるのと、もしかしたら浪人しちゃうかもしれないけど一生使える英語力をつけるのとどっちがいい?
ラッコちゃん:む、難しい選択だね…
ゆみこ先生:大学受験で英語勉強したのに、どうしてTOEICで再度勉強しなおさなきゃいけない人がいるの?
ラッコちゃん:そ、それは…
ゆみこ先生:受験だけ受かれば、後は英語を忘れてもいいと思う人も実際いると思うので、そういう受験生は暗記勉強法に向かうのも有りだと思います。
ラッコちゃん:本当にそう思っている?
ゆみこ先生:本当にそう思うわ。
別に突き放すとかじゃなくてね。
どうするかは自分が決断すればいいと思うだけ。
今後も英語を使っていきたい人には急がば回れで丁寧に勉強した方が結局は得だと思います。
ラッコちゃん:それは、そうだけど…
ゆみこ先生:それに正当な勉強方法で『ビジュアル英文解釈』の勉強の途中で受験日がやってきても受かる場合もあるでしょう?
たとえ落ちて浪人しても、そこから続きを積み上げられるから、翌年の受験に臨む時には必ず英語力が伸びている。
でも、暗記勉強だと、暗記した内容を回し続けないといけないから、受験した翌年に英語力が必ずしも伸びるとは限らない。
下手すれば浪人しているんだから絶対受からないといけないって考えて、そのプレッシャーで落ちるかもしれない…。
ラッコちゃん:そっか…
ゆみこ先生:ゆっくり考えてみてね。
伊藤和夫先生は和訳もステキ
では、『ビジュアル英文解釈』の勉強方法の続きに行くわね。
ラッコちゃん:はい、どうぞ。
ゆみこ先生:解説を読みながら自分が書いた構文解析を訂正したら、伊藤和夫先生が書いた和訳を読みます。
ラッコちゃん:ここで気を付けるポイントとかあるの?
ゆみこ先生:できれば解説を読むのと和訳を読むのに時間を空けないことかな。
でも、解説だけで頭がオーバーヒートして休憩いれないと無理とか、忙しい方は難しい場合もあるので、出来る範囲で構いません。
ラッコちゃん:時間を空けないのはどうして?
ゆみこ先生:解説の内容が頭に残っていれば、それをなぞるように和訳を読むことができるわ。
そうすると、和訳を読んでいて、解説と和訳に食い違いがあるように感じることがあれば、気が付きやすいのよ。
ラッコちゃん:食い違い? 和訳に間違いがあるってこと?
ゆみこ先生:いや、いや。反対です。
間違えているのは先生じゃなくて勉強している方。
解説を勘違いして読むことがある場合もあります。
ラッコちゃん:ああ。ボクの方ね。
ゆみこ先生:そう。
必ず勘違いするわけじゃないけど、そういう場合もあるってことです。
ラッコちゃん:分かった。で、次は?
そろそろ音読かな?
ゆみこ先生:当り~! カランカラン。
英文の音読タイムです。
イメージしない音読は音読にあらず
ラッコちゃん:何回読めばいいの?
ゆみこ先生:目安は30回です。
ラッコちゃん:よし、急いで読むぞ!
ゆみこ先生:ブッブー あっ、これで3回目だから、後で鯛焼き確定だね♪
ラッコちゃん:そんな…
ところで、なんで急いじゃいけないの?
ゆみこ先生:音読の肝はイメージすることです。
急いでイメージするのは難しい…というか出来ない。
ラッコちゃん:イメージ?
ゆみこ先生:そう。There is an apple.と書いてある英文を読みながら、リンゴが赤か青かは好みの問題として、その絵が頭の中に描けないといけないの。
でも、急いでいると、早く読むことに気持ちが集中してイメージが浮かんでいるかどうか確認しないでしょう?
ラッコちゃん:そうだね。
本当に簡単な文なら出来そうだけど…。
ゆみこ先生:もちろんイメージできる範囲ならスピードを上げても構わないわ。
『ビジュアル英文解釈』の英文が楽々イメージできるのなら、次のテキストに進んでもいいと思う。
ラッコちゃん:うーーん。ボクには無理かな…
ゆみこ先生:そういう場合は、ゆっくりでも構わないからイメージに集中するのが大切です。
ラッコちゃん:はーい。読むときに使用する英文は解析が書いてある方でいいの?
ゆみこ先生:ええ。
解析がないと、英文の構文解析を再度頭の中でやって、意味を取って、イメージして…って大変でしょう?
ラッコちゃん:そうだね。
ゆみこ先生:それと、回数にこだわり過ぎないこともポイントかな。
ラッコちゃん:あれ? 30回は?
ゆみこ先生:あれは目安。
イメージしながら英文がスラスラ読めるところまで読むのが理想です。
ラッコちゃん:スラスラね… 自分で判断できるかな?
ゆみこ先生:もしくは裏技で、英文を1文読んだらテキスト見ないでその英文を暗唱できたら次に進むのでも構いません。
ラッコちゃん:ハードルが高そう。
ゆみこ先生:そうでもないわよ。
構文解析して、英文の構造が理解できていると結構できちゃうものよ。
ラッコちゃん:そうなのかな…
ゆみこ先生:それに、暗唱を目指す方が、惰性の音読になりにくいのもいいのよね。
ラッコちゃん:惰性…
ゆみこ先生:同じことしていると脳がボーっとしてきてイメージに集中しないで音読しちゃうことがあるのよね。
ラッコちゃん:なるほどね。
ゆみこ先生:英文があまりにも長すぎる時は、区切っても構わないけど、なるべく一文を言えるようにチャレンジして欲しいわ。
テキストに書いてある和訳を参照するのはOKよ。
ラッコちゃん:両方やってみて決めようかな…
ゆみこ先生:『ビジュアル英文解釈』は、何回か繰り返す予定だから、最初は普通に音読で2回目は暗唱でもいいわね。
ラッコちゃん:繰り返すんだね。何回やればいいんだろう?
一回で身につくと思うな!筋肉と『ビジュアル英文解釈』
ゆみこ先生:暗い顔しないでも大丈夫。
1回目より2回目、2回目より3回目はどんどん早くなるわ。
伊藤和夫先生は『ビジュアル英文解釈』1、2を2か月くらいで一回終わらせるのが目安とおっしゃっていたようだけど、実際、初めて『ビジュアル英文解釈』に取り組んで2か月で終わらせるのは難しいかもしれないわね。
ラッコちゃん:そうだよね…
ゆみこ先生:私も、あまりにも難しく感じるのなら『英文解釈教室 入門編』をやってから再度『ビジュアル英文解釈』に戻ってもいいと思っているわ。
『英文解釈教室 入門編』をやることで基礎的な部分がおさらいできるだけでなく、伊藤先生の口調というか解説の仕方にも馴染むことができるしね。
ラッコちゃん:じゃあ、『英文解釈教室 入門編』から取り組むか…
ゆみこ先生:ちょっと! 難しすぎるなら…って言ったでしょう。
ラッコちゃん:だってボク『英文解釈教室 入門編』だって完璧にできないよ。多分…
ゆみこ先生:完璧を目指すのは大事だけど、本当に完璧までやろうとすると進めなくなるわ。
だから『ビジュアル英文解釈』も3回とか5回やるわけで、一度で完璧目指す必要ないの。
繰り返すことで分かることがあるからね。
それと反対に簡単にできてしまう人にも最低でも2回は繰り返すことを勧めます。
普通の本もそうだと思うけど、繰り返し読むと新しい発見があるじゃない?
本当は新しくないのかもしれないけど、一回目に取りこぼしたことが二回目には、ちゃんと気がつくっていうか…。
ラッコちゃん:あるある。
それで、結局何回繰り返すの?
ゆみこ先生:スラスラ読めて2か月で終わる人は2回。
それ以外の人は、最低4回です。
ハッキリ言って、一回目は「捨て」だから…。
ラッコちゃん:捨て???
ゆみこ先生:そう。
『ビジュアル英文解釈』に慣れる、構文解析の勉強方法に慣れるだけで終わっちゃう。
ここで卒業しちゃうと何も身に付かない。
ラッコちゃん:ひょえーーー
ゆみこ先生:勝負は2回目以降から。
参考書は3回はやって欲しいので、捨ての1回プラス3回で最低4回です。
身に付いた感が無ければ、もっと繰り返してもいいわよ。
でも、一向に分かっている実感がわかないのであれば、基礎に問題があるから中学英語に戻るべきだと思う。
ラッコちゃん:はあ。
ゆみこ先生:でも、さっきも言った通り、先生の解説の日本語が分かるレベルなら必ず早くなるから大丈夫。4回目の頃には、問題文の一行目見ただけで、「ああ、あの話ね」って思い出すから。
ラッコちゃん:そうなんだ。その言葉を信じるよ。
ゆみこ先生:これで一通りのやり方の説明は終わりなんだけど、巻末に文法事項のまとめがあるので、たまにパラパラめくっておいて、一通り回した後に読むと整理されると思うわ。
ラッコちゃん:おお! 付録もゴージャスだね。
ゆみこ先生:そうでしょう?
索引も素晴らしいのよ。
付録の活用方法は『ビジュアル英文解釈教室』に伊藤先生が書かれているので、それを参照してください。
また、対話形式よりもサックリまとめた勉強方法を読みたい方はこちらをご参照くださいね。
では、また別の勉強方法でお会いしましょう。
ありがとうございました。