埼玉縣公立高校入試問題 英語の問題文の解析パート4

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ゆみこ先生:埼玉県の公立高校入試の英語問題の読解シリーズですが、今回は第3問の第四段落になります。

ラッコちゃん:第四段落は長いね。

ゆみこ先生:怖気づく前に始めましょう。  

              では、一文目から。

The next day, Ms. Bower showed the students the poster she found on the Internet.

ラッコちゃん:のっけから長い文だな…

The next day, Ms. Bower showed the students the poster (she found on the Internet) .

   a → 副目     S     ④    O         O   S   ③ ← adp    n

dayshowedにかかる副詞的目的格の名詞。

she found on the Internetは先行詞のthe posterを修飾している関係代名詞を省略した形容詞節です。

ゆみこ先生:④は第四文型を取る動詞です。これで五文型全部出ましたね。

④はS(主語)、V(動詞)、目的語(O)、目的語(O)と目的語を2個とる文型です。

また関係代名詞ですね。けっこう関係代名詞が使われているわね。

ラッコちゃん:高校受験もなかなか難しいね。

ゆみこ先生:関係代名詞と来たら、先行詞を挿入した文を作るのがお約束ね。

              はい、どうぞ。

ラッコちゃん:ええと、She found the poster on the Internet.

ゆみこ先生:慣れてきたようね。

ラッコちゃん:えへへ

ゆみこ先生:和訳は、「翌日、Bower先生は生徒たちにインターネットで見つけたポスターを見せました」です。

              では、次の文です。

The poster was written in Japanese.

ラッコちゃん: The poster was written  in Japanese

                     S aux  ― ③ ← adp  n

              これは簡単な受け身の文だね。

ゆみこ先生:動詞の前に「-」があるものは、受動態です。

受け身と言えば、能動態に直すとどうなりますか?

ラッコちゃん:They wrote the poster in Japanese.

              主語は適当だけどね。

ゆみこ先生:ちゃんと受動態を能動態に直せているわよ。

              和訳は「ポスターは日本語で書かれていました」です。

              調子いいわね。先に進みましょう。

She said she couldn’t find an English version of the poster.

ラッコちゃん:She said she couldn’t find an English version of the poster.

                  S   O  S  aux ad  ③   a → O ← ap     n

              間接話法だね。

ゆみこ先生:はい。間接話法と言えば、直接話法への書き換えですね。

ラッコちゃん:うへえ。

              She said, “I couldn’t find an English version of the poster.”

              それにしても関係代名詞が出たら先行詞を入れて文を作ったり、受動態を能動態にしたりすることに意味があるの?

ゆみこ先生:あるわよ。

              受動態と能動態の文は全く同じ意味だから…ということではないわよ。

ラッコちゃん:それはそうでしょう。

ゆみこ先生:あくまで文法の勉強としてやって欲しいのよ。

              それこそ日本語の受け身は動詞につく助動詞で決まるわけでしょう?

ラッコちゃん:そうだね。「れる」、「られる」だっけ?

ゆみこ先生:だから、自動詞でも受け身を取れる。

              でも、英語は他動詞しか受動態にならないわよね。

そういう違いを身体で覚えて欲しいから面倒でもやって欲しいのよ。

ラッコちゃん:身体で…か。

ゆみこ先生:そうよ。実際に読んだり書いたり聞いたり話したりしている時に、「ええと、これは受動態だから…」なんて考えなくても浮かぶようにしないとね。

ラッコちゃん:そのためには繰り返し訓練するしかないってことか。

ゆみこ先生:そうよ。英語は伊藤和夫先生がおっしゃっているように「理屈が半分慣れが半分」ですからね。

ラッコちゃん:分かった。面倒がらずに、なるべくやってみる。

ゆみこ先生:なるべく…が気になりますが…

和訳に行きましょう。

              和訳は「Bower先生は、ポスターの英語版を見つけることが出来なかったとおっしゃいました」です。

              では、次。

She was learning Japanese, but she couldn’t understand the poster very well.

ラッコちゃん: {She was learning Japanese}, but {she couldn’t understand the poster

                   S  aux   ③   O      +  S   aux ad     ③     O

very  well}.

               ad ad

              それでwellunderstandにかかります。

ゆみこ先生:一見長そうだけど、butで繋がっているだけだから簡単ね。

ラッコちゃん:この文みたいにbutで繋がれた両方に主語と動詞がある時はいいけど、勉強しているとbutで何と何を結んでいるのか分からない文もあるんだよね。

ゆみこ先生:そうね。andbutのような等位接続詞は、簡単そうで難しいわね。

              一応、同じもの、例えば名詞なら名詞、今回のように文なら文というふうに結ばれているものはバランスが取れるようになっているわ。

でもね、言語だから例外もあるのよね。

意味を取ることが一番助けになるから、必ず構文だけに集中しないで意味を考えてね。

ラッコちゃん:はーい。

              なんだ…andとかbutで分からないのは、ボクだけじゃないんだね。ホッとした。

ゆみこ先生:日本語でも助詞の「と」が何を結ぶかは分かりにくいのよ。

優れている作家や著述家は読者に混乱を与えないように文を書いてくれるけど、中には分かっている人しか正解が分からない文もあるわよ。

ラッコちゃん:そうなんだ。

ゆみこ先生:英語を勉強していると、日本語の力もつくと思うわ。

ラッコちゃん:なるほどね。

ゆみこ先生:和訳は「Bower先生は日本語を学んでいますが、ポスターはあまり分かりませんでした」です。

              では、次の文です。

She found posters in English for other cities but not for their town.

ラッコちゃん: She found posters in English {for other cities} but {not  for their town}

                  S  ③    O ap   n   ap   a n    +  ad ap  a n

              for other citiespostersを修飾している形容詞句です。

              for their townpostersにかかる形容詞句です。

ゆみこ先生:この文はどうでした?

ラッコちゃん:for other citiesfoundにかけそうになった。

ゆみこ先生:名詞の後に句が2つ続いたから、なんとなく後ろの句は副詞句かな…って考えたのかしら?

ラッコちゃん:多分そう。

              でも、意味を考えるとin Englishfor other citiespostersにかからないとオカシイんだよね。

ゆみこ先生:そうね。

              ところでnotはどうだった?

ラッコちゃん:notはね、一瞬迷った。

              でも、notは副詞だって考えたら、形容詞(句)のfor their townを副詞が修飾するのは当たり前なんだよね。

なんか、こういうnotみたいな分かりやすそうなのが実は難しい。

ゆみこ先生:そうなのよね。

              英文の意味自体は分かると思うんだけど、それは文脈上考えたからよね。

              いつもと反対で意味だけじゃなくて、構造というか文法も考えないといけないのよね。

ラッコちゃん:高校入試は深いね。

              中学英語ってバカにはできないよ。

ゆみこ先生:そりゃあそうよ。

              中学英語で英会話をする…みたいな本は沢山でているけど、それは嘘ではなくて、本当にそれだけで会話できるレベルの英語力が身に付くからでしょう?

              多くの英語ができない人が分かっていないのも中学英語の部分だしね。

ラッコちゃん:なるほどね…

              じゃあ、ボクも分かってなくても当然か…

ゆみこ先生:そうだけど、そこで納得しないで勉強しましょう…

ラッコちゃん:あはは そうだね。

ゆみこ先生:和訳は「Bower先生は英語で書かれた他の市のポスターを見つけましたが、それはコウタたちの町のためのものではありませんでした」です。

              では、次の文に行きましょう。

Kota and his classmates looked at the poster Ms. Bower brought and tried to help her in English.

ラッコちゃん:{Kota} and {his classmates} {looked at the poster (Ms. Bower brought)} and

                      S    +   a → S        ①  ← adp   n        S      ③   +

 {tried to help her in English}.

               ③ O③ O adp   n

              Ms. Bower broughtは先行詞the posterを修飾する形容詞句で、関係代名詞は省略されています。

              最後のin Englishhelpを修飾している副詞句です。

              長いし、関係代名詞はあるし、andも2つもあるし…ちょっとへこたれそうだった。

ゆみこ先生:長文読解の問題で疲れている頃に複雑そうな文が出てくると、読む前にやる気が落ちそうになるわよね。

ラッコちゃん:うん。

              でも、一つ一つゆっくりやると分かるんだよね。

ゆみこ先生:そうでしょう。

              気持ちで負けないことが大切よね。

              さて、関係代名詞と言えば…

ラッコちゃん:先行詞を入れた文を作る!

              Ms. Bower brought the poster.だね。

ゆみこ先生:そうね。

              和訳は、「コウタとクラスメイト達はBower先生が持ってきたポスターを見て、英語で助けようとしました」です。

「助けよう」は直訳ですが、要は、ポスターの内容を英語で先生に説明したってことですね。

              中学で習う単語に語彙制限されているので、どうしても言葉が足りない部分はあるわね。

ラッコちゃん:そうだね。

ゆみこ先生:でも、逆に考えると中学英語の語彙でも言いたいことを伝えられるってことです。

ラッコちゃん:言い換えのスキルが求められそうだけどね。

ゆみこ先生:母国語でも難しい言葉を簡単な言葉で説明できれば、英語も同じようにできるわよ。

ラッコちゃん:そうなの?

ゆみこ先生:そうよ。

              だから、国語の勉強も頑張ってね。

              では、次です。  

It was difficult for Kota, so he needed a dictionary to tell her about the rules in English.

ラッコちゃん:これまた長いね。

              {It was difficult for Kota}, so {he needed a dictionary to tell her about the rules

               S ②  aC  adp  n   +  S   ③   O   ad O adp       n

in English

              adp  n

              to tellは副詞的用法のto不定詞で、neededにかかります。

              about the rulesin Englishも副詞句で、どちらもtellにかかります。

ゆみこ先生:これは、どうでした?

ラッコちゃん:soは副詞?等位接続詞?

              前後の意味からみて等位接続詞だと思ったけどボクの辞書には副詞しかないよ。

ゆみこ先生:ちゃんと辞書を引いていて素晴らしいわね。

              このsoはね、元はand soなの。

              そこからandが脱落したの。

              だから、副詞のsoが等位接続詞と同じ働きをしているように見えるのよね。

ラッコちゃん:そうなんだ。

ゆみこ先生:ちょっと難しかったわね。

              では、和訳です。

              「それ(英語でBower先生に説明してポスターの内容を把握するのを助ける)のはコウタには難しかったので、先生に英語で規則について伝えるために辞書が必要でした」です。

              今更だけど、和訳の時、なるべく代名詞が何を指しているのか分かるようしています。

ラッコちゃん:ボク、分かってたよ。

ゆみこ先生:そうですよね。

              では、次です。

She had to take her burnable garbage to the collection site by 8:30 in the morning on Tuesdays and Fridays.

ラッコちゃん:ううう、これも長い!

She had to take her burnable garbage to the collection site by 8:30

 S  aux      a     O   adp       n n  adp n

in the morning on {Tuesdays} and {Fridays}

ap    n   ap   n       +    n

her burnable garbagehergarbageにかかる形容詞。

to the collection siteby 8:30 takeにかかる副詞句です。

ゆみこ先生:ふむ。コウタの町は週に2回しか可燃ごみを集めてくれないのね。

ラッコちゃん:先生、コメントずれています…。

ゆみこ先生:おっと失礼。

              和訳は「Bower先生は火曜日と金曜日の午前8時半までにごみ収集場所に燃えるごみを持っていかなければならなかった」です。

ラッコちゃん:難しい単語があるけど、問題文に注がありましたね。

ゆみこ先生:さすが県立高校の受験問題ね。

              では、次です。

She could also leave her plastic bottles out on Wednesdays.

ラッコちゃん:She could also leave her plastic bottles out on Wednesdays.

                  S   aux  ad→③ a     a O   ad  adp   n

              herbottlesを修飾している形容詞。

              outleaveにかかる副詞。

              on Wednesdaysは副詞句でleaveにかかります。

 ゆみこ先生:この文のようにoutonが続くと混乱する?

ラッコちゃん:うーん、そうでもなかったよ。

              多分、on Wednesdaysみたいな前置詞onと曜日の組み合わせを見なれているからだろうね。

ゆみこ先生:そうね。

              見なれていることは大事よね。

              和訳は「Bower先生はまた、水曜日にプラスティックボトルを(ゴミに)出すことができました」です。

              ふー 長い第四段落もあと少しです。

              次に進みましょう。

“Oh, I see,” Ms. Bower said, “Thank you so much.

ラッコちゃん: “Oh, I see,” Ms. Bower said, “Thank you so much. 

                  間 S ①    S  ③  ③  O adad

              muchThankにかかります。

              Thankの主語は省略されています。

ゆみこ先生:和訳は「『ああ、分かったわ』とBower先生は言いました。『本当にありがとう』」です。

              会話の途中で挿入的にMs. Bower saidとあるけど、それは分かったかしら?

ラッコちゃん:直接話法の会話は“”があるから分かりやすいんだよね。

ゆみこ先生:なるほど。それですんなり構文解析できたのね。

              では、次の文です。

Now I know what to do.”

ラッコちゃん:Now I know what to do.” 

                  ad S  ③ O O a

              このwhat to doが難しいよね。

ゆみこ先生:薬袋義郎先生の『TOEICテストスーパートレーニング』に解説が出ているので引用しますね。(107ページより)

*********************

例文 I can’t decide which to choose].

S       ③ O  O     

私はどちらを選んだらよいか決められない。

which は疑問代名詞でchooseの目的語です。which to choosewhich I am to choose「私はどちらを選ぶべきか(ということ)」という間接疑問文からI amが省略された「間接疑問文の短縮形」と考えられます。短縮形ですから完全な名詞節とはいえませんが、名詞節に準じて考えて[四角いカッコ]でくくることにしましょう。

*************************

引用終わり。

              というわけで、Now I know I am what to do.からI amが省略されたと考えてね。

ラッコちゃん:そう考えると分かりやすいね。

              このto doは、不定詞の形容詞用法だよね?

              この動詞の目的語が前にくるやつ、これだとwhatだけど、これが難しい。

ゆみこ先生:to不定詞って名詞的用法と副詞的用法は分かりやすいのよね。

              形容詞用法も一度理解すれば難しくないけど、そのためには他との違いや形容詞の働きをちゃんと理解できていないと分かりにくいのよね。

              よく分からないから結局丸暗記しやすい項目の一つでもあるんじゃないかしら。

ラッコちゃん:そうなんだよ。

              ボクも不定詞の3つの種類とか知っていても、良く出るパターンを暗記しているだけだったもんね。

ゆみこ先生:……

              今は大丈夫かしら?

              形容詞が後ろから前の名詞を修飾する後置修飾であることが分かっているかしら?

ラッコちゃん:だ、大丈夫です…

              でも、後置修飾だっけ?後ろから前の名詞を修飾する形が苦手なのかな?

              そう言えば関係代名詞も同じように名詞の後ろから節が修飾するよね。

ゆみこ先生:日本語は修飾する言葉、形容詞が長くても絶対に後ろに回らないからね。

              ふわふわして、甘くて、美味しい鯛焼き…のように、修飾する言葉は必ず前にあるから、英語のように後ろから修飾されると戸惑うんだと思うわ。

              だから、頭で理解したあと、慣れるまで例文を見るといいと思うわ。

ラッコちゃん:やっぱり慣れ半分…なんだね。

ゆみこ先生:そうよ。

              和訳は「『これで、どうすればいいか分かったわ』」です。

              では、最後の文です。

“You all did very well,” Mr. Sato said, “It will be easier for Ms. Bower to live in Japan.”

ラッコちゃん:くー 最後まで長いです…

“You all did very well,” Mr. Sato said, “It  will be easier for Ms. Bower

 S S   adad       S   ③ 仮S  aux ② aC   S’     n     

to  live  in Japan.”

S① ← adp n

for Ms. Bowerto liveの真主語である不定詞と主語述語関係にあります。

ゆみこ先生:つまり? 

ラッコちゃん:Ms. Bower lives in Japan.が元にあって、それがwill be easier ってことです。

ゆみこ先生:文法用語使ってない説明の方が分かりやすいかもね。

ラッコちゃん:じゃあ、これでいく?

ゆみこ先生:行かない…

              最終的には、文法用語という抽象概念を掴むことが勉強だからね。

ラッコちゃん:はぁー

              それと言い忘れましたが、Youallは同格です。

              didは③にしそうでしたよ…

              doは①もあるんですね。

ゆみこ先生:ちゃんと辞書を調べたのね?

ラッコちゃん:まあね。目的語がないから、まさかの①かなって思って調べたら、ちゃんと自動詞があった。

ゆみこ先生:えらい、えらい。

              だいぶ辞書を引くのも慣れてきたようね。

              記号の「仮S」はItが本当の主語ではないことを表しています。

              本当の主語は「真S」で表しています。

              さて、Bower先生の問題も解決したみたいだし、これで第四段落目は終了です。

              では、次回、埼玉県の英語の公立高校入試問題文の構文解析シリーズのラストでお会いしましょう。

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