埼玉縣公立高校入試問題 英語の問題文の解析パート3
ゆみこ先生:埼玉県公立高校入試 英語問題3の長文読解の構文解析解説シリーズの第3段落です。
ラッコちゃん:高校入試ってことは中学英語なんだけど、それだけでもここまでの文章が書けるんだから凄いよね。
ゆみこ先生:逆を言うと、このレベルの英文を書けないなら中学英語に穴がある可能性が高いってこと。
ラッコちゃん:ひーー
ゆみこ先生:では、早速、穴を探しに行きましょう。
Kota and his classmates talked with Ms. Bower more after class.
ラッコちゃん:
{Kota} and {his classmates} talked with Ms. Bower more after class.
S + a → S ① ←adp n ad adp n
moreはtalkedにかかる副詞です。
after classはtalkedにかかる副詞句です。
ゆみこ先生:動詞の後ろに副詞句、副詞、副詞句と続いているけど、動詞が一つだから悩まないわね。
和訳は「コウタと彼のクラスメイトは授業の後、もっとBower先生と話しました」です。
では、次の英文
While they were talking with her, she said she had a problem.
ラッコちゃん:来たよ間接話法!
〈While they were talking with her,〉 she said [she had a problem].
接 S aux ① ← adp n S ③ O S ③ O
While they were talking with herは従属節です。
ゆみこ先生:『接』は接続詞を表しています。
She said she had a problem.を直接話法にしてください。
ラッコちゃん:やっぱり…
She said, “I have a problem.” です。
ゆみこ先生:イメージは浮かんでいる?
困った顔のBower先生が見えているかしら?
ラッコちゃん:うん。
背が高くて金髪碧眼で、髪は肩くらい。ブルーのスーツでスカートの丈は短めで…
ゆみこ先生:ずいぶん詳細なイメージね。
ミニスカートとか気になるけど、詳細なのは良いことね。
ラッコちゃん:ついでにコウタの描写もしちゃう?
ゆみこ先生:今はいいかな…。
和訳しましょう。
「コウタ達がBower先生と会話中、私、問題があるのとBower先生が言いました」
では、次です。
Three days ago, she left her burnable garbage in front of her house in the morning, but it was still there that evening.
ラッコちゃん:長いね。
Three days ago, {she left her burnable garbage in front of her house
a →副目→ad S ③ a a → n adp n ← ap a → n
in the morning,} but {it was still there that evening}.
adp n + S ① ← ad ad a → 副目
ええと、agoはleftとwasにかかる副詞で、herはgarbageにかかります。
in front of her houseはleftを修飾している副詞句です。
thereはwasにかかります。
eveningはwasにかかる副詞的目的格の名詞です。
ゆみこ先生:it was still there that eveningのitは何かしら?
ラッコちゃん:それはher burnable garbageだね。
それは、すんなり分かる所だけど、wasが出てくると、ついつい②にとりたくなるね。
ゆみこ先生:be動詞は②のイメージが強いからね。
次に過去分詞や現在進行形が続くんじゃないだろうかって思いがちよね。
ラッコちゃん:そうなんだよ。
ゆみこ先生:それ以外に悩んだところはないかしら?
ラッコちゃん:in front of her house in the morningと長い修飾があるけど、houseとかmorningのようなよく知っている名詞があるから意味を取るのは簡単だったね。
ゆみこ先生:なるほどね。
では、和訳です。「3日前、先生は午前中に家の前に燃えるごみを出しましたが、夕方になってもまだ、そこにあったのです」
ところでmorningの時間帯は何時から何時だと思う?
ラッコちゃん:え? 朝だから6時から10時?
ゆみこ先生:morningには朝のイメージが強いけど、午前中なので正午まではmorningです。
ラッコちゃん:へー
ゆみこ先生:じゃあ、eveningは?
ラッコちゃん:夕方? 4時くらいから6時? 夏なら7時くらい?
ゆみこ先生:残念! こちらは午後の6時頃から9時頃です。
ラッコちゃん:夕方じゃないの?
ゆみこ先生:日本語の夕方は日が暮れ始めて沈むまでだけど、eveningは日が沈んでからの時間帯になりそうね。
ラッコちゃん:イギリスの夏は日が沈むの遅いでしょう?
ゆみこ先生:まあ、夕方の捉え方は主観的なものなのは英語でも日本語でも同じじゃない?
「おはようございます」って挨拶したら「こんにちは」って返されたり…。
ラッコちゃん:それって先生が朝遅いからじゃない?
ゆみこ先生:まさか、私の部屋に監視カメラを置いていないでしょうね?
ラッコちゃん:図星ですか……
ゆみこ先生:閑話休題。
次の文に進みます。
She had to take it back into her house.
ラッコちゃん:She had to take it back into her house.
S aux ③ O ad adp a → n
backはtakeを修飾している副詞です。
into her houseは副詞句で同じくtakeにかかります。
ゆみこ先生;この文のitは?
ラッコちゃん:さっきと同じ生ごみでしょう?
ゆみこ先生:当り~! カランカラン
和訳は「Bower先生は生ごみを家に持ち帰らなければなりませんでした」です。
had to(have to)は、一つの助動詞として考えて下さい。
ラッコちゃん:この話の季節はいつだろう?春?
ゆみこ先生:特には書いていないわね。
ラッコちゃん:夏だったら最悪だよね。1日外に出した生ごみを再度家に持ち帰るって考えるだけで臭ってきそう…。
ゆみこ先生:そうね…
では、臭わない内に次の文に行きましょう。
She didn’t know the garbage collection rules for the town.
ラッコちゃん:She didn’t know the garbage collection rules for the town.
S aux ad ③ n → n → O ← ap n
ゆみこ先生:なんとなく簡単そうだけど、garbage collection rulesのような名詞が名詞を修飾するパターンも見なれないとまごつくかもね。
ラッコちゃん:そうだね。
ゆみこ先生:これはcollect garbageが元になっているのよね。
ラッコちゃん:こうやって解説されれば分かるけど、自分んで見抜くのは難しい…。
ゆみこ先生:そうかもしれないわね。
構文解析にだけ集中し過ぎないで、意味も考える必要があるってことね。
ラッコちゃん:やっぱり、意味を取ることが大切なんだね。
ゆみこ先生:そうよ。
和訳は「Bower先生は町のゴミ出し規則を知りませんでした」です。
では、次です。
That was the first big problem she had in Japan.
ラッコちゃん:That was the first big problem (she had in Japan).
S ② a a → nC S ③ adp n
firstはbig problemを修飾している形容詞です。
She had in Japanは関係代名詞が省略されていて、先行詞のthe first big problemを修飾している形容詞節です。
ゆみこ先生:( )は、形容詞節を表しています。
では、この形容詞節に先行詞を代入して文をつくってみて。
ラッコちゃん:She had the first big problem in japan.
S ③ a a → O adp n
ゆみこ先生:正解です。
面倒だけど先行詞を入れて文を作ると関係代名詞が掴みやすいわよ。
ラッコちゃん:関係代名詞も分かりにくいものの一つだよね。
学校の時は、穴埋め問題で、どの関係代名詞を取りますか?thatですかwhoですかwhichですか?みたいな問題ばっかりで、関係代名詞が何か本当のところよくわからなかった。
ゆみこ先生:3択とか4択とかは、問題に出しやすいからね。
でも、実際に英文を読むときに一番大切なのは、関係代名詞は先行詞を修飾する形容詞として働いているってことかな…。
ラッコちゃん:そうかもね。
それと訳すのも混乱する。
ゆみこ先生:それは関係代名詞が日本語にないものだからなのよね。
英語を英語のまま理解して、頭の中でイメージを描いて、それを日本語にすると自然な日本語になるんじゃないかしら?
ラッコちゃん:うーーーん。今のボクには難しいかな…。
ゆみこ先生:でも、さっきみたいに関係代名詞から始まる節に先行詞を入れた文を作ればイメージするのも簡単でしょう?
ラッコちゃん:それはそうだけど…。
ゆみこ先生:関係代名詞があったら必ず先行詞を入れた文を作れば、大丈夫よ。
最初の内は時間がかかるけど、その内慣れるわ。
続けていけば関係代名詞のある文でも立ち止まらずにイメージを頭の中で描けるようになるから、頑張って続けてみてね。
ラッコちゃん:はーい。
ゆみこ先生:和訳は「Bower先生が体験した日本での最初の大きな問題でした」です。
それにしてもゴミ出し問題以前に何も問題が無かったなんて、Bower先生はラッキーなのか日本が良い国なのか…。
ラッコちゃん:いいね。高校入試問題はTOEICの世界に通じるものがある気がする。
ゆみこ先生:確かに!
では、3段落目の最後の文です。
She used the Internet and found a poster about the rules.
ラッコちゃん:She {used the Internet} and {found a poster about the rules}.
S ③ O + ③ O ← ap n
ゆみこ先生:これは、悩んだ箇所があるかしら?
ラッコちゃん:うーんとね、about the rulesをposterにかけるのか、foundにかけるのか悩んだね。
ゆみこ先生:意味は同じように見えるわね。
ただ、私ならposterにかけるわ。
ラッコちゃん:どうして?
ゆみこ先生:findとaboutの組み合わせだとfind out aboutの句動詞のイメージがあるからね。
ラッコちゃん:どういう意味の句動詞?
ゆみこ先生:「知る」とか「分かる」という意味よ。
でも、この問題文のfindは「見つける」ってことよね。
ラッコちゃん:そうだね。
ゆみこ先生:だから、posterにかけて規則についてのポスターを見つけたって訳すと思うわ。
ラッコちゃん:相変わらず細かいね。
ゆみこ先生:英語っていうより言語って深いと思うのよね。
最初からそこまで深みにはまる必要はないと思うけどね…。
ラッコちゃん:ほっ。 そうなんだ。
分からないといけないのかと思ったよ。
ゆみこ先生:いやいや。
日本語の本だって、じっくり繰り返し読まないと修飾関係をとらえ間違えることってあるじゃない?
まして、高校受験の真っ最中にabout the rulesがどっちを修飾しているかどうか考える必要はないでしょう?
ラッコちゃん:そりゃあ、時間切れで落ちるね。
ゆみこ先生:でも、その一方でじっくり文法を考えることで著者の意図をなるべく正確に読み取ることが出来るのも事実だから、勉強が進んだら、そこにも取り組んでもらいたいと思うの。
ラッコちゃん:上級者向けってことだね。
ゆみこ先生:そうね。
では、和訳です。
「Bower先生はインターネットを使い、規則についてのポスターを見つけました」
ラッコちゃん:第3段落終了だね。
ゆみこ先生:そうね。
後、2段落残っていますが、半分は超えました。
ラッコちゃん:残り半分!頑張るぞ。
ゆみこ先生:では、第4段落の解説でお会いしましょう。
次回もお楽しみに
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