埼玉縣公立高校入試問題 英語の問題文の解析パート2

パート1こちらから

ゆみこ先生:埼玉県の公立高校入試の英語問題第3問の構文解析の2回目です。

              今日もはりきっていきましょう。

ラッコちゃん:はーい。

ゆみこ先生:第一回は英語の入試問題第3問の第一段落を解説しました。

              ということで、第二段落の最初の文はこちらです。

One week later, Mr. Sato came to class with a new ALT, Ms. Bower. 

ラッコちゃん:では、構文解析します。

One week later, Mr. Sato came  to class with a new ALT, Ms. Bower.

 a →副目→ad    S     ① ← adp n adp    a n      n

latercameにかかる。

with a new ALT, Ms. Bowerは副詞句でcameを修飾。

a new ALTMs. Bowerは同格です。

ゆみこ先生:OKです。

              なかなか快調な滑り出しね。

              新しい記号の①は動詞の第一文型を表しています。

              第一文型はS(主語)、V(動詞)です。

              和訳は「一週間後、佐藤先生は新しいALT(外国語指導助手)のBower先生と一緒に授業に来ました」です。

ラッコちゃん:出だし好調!次に行こう!

ゆみこ先生:和訳は「Bower先生は一週間前にコウタの町にやってきました」

では、次の文はこちら。

She came to Kota’s town a week ago. 

ラッコちゃん:これも簡単だね。

              She came  to Kota’s town a week  ago.

 S  ① ← adp  a n   副目 → ad

Agocameにかかる副詞だよ。

ゆみこ先生:Kotaは名詞だけど、Kota’sとなることで所有格になっているのよね。

              副詞的目的格の名詞がバンバン出るけど、ちゃんと見抜けているみたいね。

ラッコちゃん:ボクってばなかなかやるね。

ゆみこ先生:そうね。次に進みましょう。

She said, “Hello, my name is Amy Bower. 

ラッコちゃん:

              She said, “Hello, my name is Amy Bower.

               S  ③ O 間  a   nC

              Helloは間投詞です。

              Saidの目的語は“Hello, my name is Amy Bowerの名詞節です。

              直接話法だね。

ゆみこ先生:そうね。

              新しい記号の「間」は間投詞です。

              和訳は「彼女は『こんにちは、私の名前はAmy Bowerです』と言った」です。      

では、次。

Nice to meet you.”

              構文解析どうぞ。               

ラッコちゃん:Nice to meet you.”

                  aC SO

              これは本当はIt is nice to meet you.なんでしょう?

ゆみこ先生:よく知っているわね。

              丁寧に言う時はIt is nice to meet you.と言うのよ。

              最初のItは仮主語で本当の主語はto meetなのよね。

              つまりTo meet you is nice.

ラッコちゃん:to不定詞の名詞用法ってことか。

ゆみこ先生:ご名答。

              絶好調じゃない。

ラッコちゃん:照れるな…

ゆみこ先生:新しい記号の『真S』は仮主語のitに対応している本当の主語を表しています。

和訳は「お会いできてうれしいです」です。

では、次に行きましょう。

Mr. Sato looked at Kota and said, “Why don’t you introduce yourself to Ms. Bower in English, Kota?”

ラッコちゃん:結構長いね。

              ボク、実は話法が苦手なんだよな…

ゆみこ先生:はい、頑張って!

ラッコちゃん:へーい。

Mr. Sato looked at Kota and {said, “Why don’t you introduce yourself

   S  ① ← adp n     +   ③ O  ad aux ad  S    ③   O

to Ms. Bower in English, Kota?”]}

    adp   n     adp  n    呼びかけ

              whydon’tnotintroduceにかかる副詞です。

              to Ms. Bowerin Englishは、それぞれ副詞句でintroduceにかかる。

ゆみこ先生:いいじゃない。

              話法が苦手って言うけど、直接話法は分かるんでしょう?

ラッコちゃん:そうだね。間接話法が苦手。

ゆみこ先生:それは、日本語に間接話法にあたるものがないからなのよ。

ラッコちゃん:ないの?

ゆみこ先生:そう。私たち日本人は日本語の文法を意識する、しないに関わらず、日本語の文法をベースに思考しているので、日本語にないものは分かりにくいのよね。

ラッコちゃん:どうりでね。じゃあ、しょうがないか…。

ゆみこ先生:いやいやいや、そこで諦めちゃ駄目でしょう。

              日本語にないものは、沢山見ることで感覚として掴んでいくことが大切なのよ。

              だから、勉強する時は、話法の例文をなるべく沢山集めて見ていくとイメージが掴めるのでお勧めよ。

ラッコちゃん:ふーん。例文をどうやって集めるの?

ゆみこ先生:手っ取り早いのは、参考書を何冊か買うことね。

              それで、話法のところだけ読んでいくの。

              出版社も著者の先生も違う本がお勧めよ。

ラッコちゃん:お金かかっちゃう。

ゆみこ先生:お年玉とかあるでしょう?

              それに、日本語にない概念は間接話法だけじゃないし、日本語にもある概念だとしても色んな説明のされ方をした方が分かることもあるんだからケチらないの。

ラッコちゃん:へーい。

ゆみこ先生:なんか返事が気に入らないけど…

ラッコちゃん:まあ、まあ。

              先生、和訳がまだですよ。

ゆみこ先生:そうだったわね。

              和訳は「佐藤先生はコウタを見て、『Bower先生に英語で自己紹介したらどうだい?』

と言いました」です。

ラッコちゃん:いきなり名指しで自己紹介しろとか言われたらビビるよね。

ゆみこ先生:そうね。

              でも、どうして佐藤先生がコウタ君に話を振ったのかは後で分かるわよ。

              では、次の文です。

Kota was nervous but he said, “Hi, my name is Kota.

ラッコちゃん:またもや話法… だけど、直接話法だから、いっか。

Kota was nervousbut {he said,  [“Hi, my name is Kota.]}

  S      aC      +  S  ③ O  a nC

ゆみこ先生:OKよ。

              aCnCの時に説明済なんだけど、再度しておくと、形容詞の補語ってことです。

              He said, “my name is Kota.”を間接話法にしてみて。

ラッコちゃん:ええと…He said that his name was Kota.だね。

ゆみこ先生:ちゃんと出来ているじゃない。

              代名詞もちゃんとmyからhisに変えてあるし、時制も一致させているからiswasになっているしね。

ラッコちゃん:そうなんだけど…。

ゆみこ先生:つまり、間接話法にする時に、イメージ、この場合は英語の授業中にコウタ君ていう中学生の少年が、佐藤先生という英語の先生に促されて、新しいALTの女性の先生に自己紹介として自分の名前を告げている映像と、この英文がリンクしてないってことでしょう?

ラッコちゃん:そうそう。まさにそれ!

ゆみこ先生:それをリンクさせるのは、さっきの集めた英文を瞬間英作文するといいわね。

ラッコちゃん:瞬間英作文って、森沢洋介先生の?

ゆみこ先生:そう、日本語を見て、即座に英文を作りだすトレーニングよ。

              ポイントは、日本語があらわしている映像を頭にしっかりと描きつつ英作するってこと。

ラッコちゃん:瞬間…は、ムリかな…。

ゆみこ先生:最初は時間がかかるかもしれないわね。

              それでも構わないわ。

              映像→直接話法→間接話法から映像→間接話法が出るようにしたいのよ。

              それができた上で、その場での臨場感を伝えたいなら直接話法だし、客観的な視点から伝えたいなら間接話法を使えばいいのよ。

ラッコちゃん:わかった。やってみるよ。

ゆみこ先生:今日は素直ね。いいこと。

              では、次に行きます。

I’m in the English club.

ラッコちゃん: これは楽勝でしょう。

I’m    in the English club

S ① ← adp    a n

              なるほど、コウタは英語クラブに入っていたんだね。

ゆみこ先生:私の中学校にもESSがあったな。

              かなり長いことESSが何の略だか分からなかったんだけど…。

ラッコちゃん:English Speaking Societyだっけ?

ゆみこ先生:そう。つまり英会話クラブってことなんだよね。

英語のスピーチコンテストに出る部だと思っていました。

              ところで、be動詞で悩まなかった?

ラッコちゃん:②じゃないかって考えたかってことだね?

それは大丈夫。

be動詞の後ろに前置詞のinが続いているから①だって分かったよ。

ゆみこ先生:なるほどね。

では、次に行きます。

Nice to meet you, too.”

ラッコちゃん:これ、やる必要あるのかな?

              Nice to meet you, too.” 

              aC S┯③ O  ad

              前のBower先生のセリフを参照ってことでいいよね。

ゆみこ先生:さすがにOKでしょう。

              では、次。

              Ms. Bower smiled and some of the other students started to talk with her, too.

ラッコちゃん:

{Ms. Bower smiled} and {some of the other students started to talk  with her, too.}

    S   ①  + S ap     a → n   ③ O① ← adp n  ad

ゆみこ先生:apは形容詞句です。前置詞とそれに続く名詞がひとかたまりになって形容詞の働きをしています。

和訳は「Bower先生は微笑みました。そして、コウタ以外の生徒の中の数名もまたBower先生と話し始めました」です。

              ちょっと、和訳が固いかな…。

ラッコちゃん:まあ、この方がsome of the other studentsが分かりやすいからいいですよ。

ゆみこ先生:では、その言葉に甘えて、よしとしましょう。

しかし、外国人と話したいけど、自分が一番最初に話しかけにくい…なんて、昔の中学生っぽいですね。ういういしい。

ラッコちゃん:今は中学生どころか小学生も外国人に慣れているんじゃないかな。

ゆみこ先生:そうでしょうね。

さて、次に行きましょう。

Kota and his classmates asked her many questions about her country and she asked them many questions about their school and life in Japan.

ラッコちゃん:やっと第二段落のラストだね。

              そして、結構長い…

ゆみこ先生:ラスボスに相応しいってことかしらね。

ラッコちゃん:

{{Kota} and {his classmates} asked her many questions about her country} and

   S    +   a → S    ④ O a     O  ap   a → n    +

{she asked them many questions about {their school} and [life in Japan].

  S      O    a   O  ap      a n    +   n ap  n

ええとandが3つも出て来て紛らわしいんだけど、Kotahis classmatesが結ばれているのが一つめ。

Kota and his classmates asked her many questions about her countryshe asked them many questions about their school and life in Japanを結んでいるのが二つ目のand

この3つめのandが悩んだね。

ゆみこ先生:分かるわ。

              ここって

(1)about their {school} and {life} in Japan

theirschoollife両方を修飾している考えて、尚且つin Japanschoollifeの両方にかかると考える。

(2)about {their school} and {life} in Japan

theirschoolだけにかかり、in Japantheir schoollifeの両方にかかると考える。

(3)about {their school} and {life in Japan}

ラッコちゃんが構文解析したように、their schoollife in Japanが単純にandで結ばれていると考える。

厳密に構文解析しようとすると、この3通りあるのよね。

Andで結ぶものはバランスが取れているはずだと考えると(1)がいいのかなって思うけど、コウタの学校が日本にあるのは自明の理だから、わざわざin Japanなんて言わなくてもいいような気がするのよね。

それに、それだと学校生活ってtheir life in japanに含まれているような気がするし…。

文章の流れだとBower先生に尋ねた内容を同じように尋ね返されたと考える方が自然だと思うのよね。そうするとtheirなしのlife in Japantheirはつかないのかな?って思う…。

ラッコちゃん:結局どれが正解なんですか?

ゆみこ先生:作者に尋ねないと分からないでしょうね。

              中学校で習う単語と文法事項だけで問題文を書かないといけないんだから、ある程度、意味が伝わりにくくても仕方ないと思う。

ラッコちゃん:それは、そうだね。

ゆみこ先生:ここは、各自の判断でOKでいいんじゃないかしら。

              ただ、適当でOKってことじゃなくて、今みたいに考える必要はあると思う。

              その上で、どっちでもいいとか、作者に尋ねないと分からない場合は仕方ないってことね。

ラッコちゃん:その辺りは日本語の読解と同じだね。

ゆみこ先生:そうね。

              和訳は「コウタと彼のクラスメイトはBower先生に国について沢山の質問をしました。また、Bower先生は皆に学校や日本での生活について多くの事を訪ねました」です。

              第二段落が終了です。

              まだ半分も進んでいません。

              脱線のし過ぎかしら?

ラッコちゃん:そうかもね…

              これからは脱線せずにガンガン行くの?

ゆみこ先生:まさか!

              授業は脱線があってこそじゃない?

ラッコちゃん:そういうものなの?

ゆみこ先生:そうよ。

              脱線の中で「へー面白いなー」って感じることがあれば、今勉強している知識に関係なくてもいいのよ。

              面白さが、もっと知りたいという知的好奇心の原動力になるでしょう?

ラッコちゃん:そうかもね。

              では、次回もほどほどに脱線しながらの授業楽しみにしています。

ゆみこ先生:はーい。

              では、第3段落の解説でお会いしましょう。

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