2019年センター試験英語第四問 構文解析講義3
ゆみこ:こんにちは
センター試験英語の構文解析シリーズ第3回目です。
今日も張り切って行きましょう。
ラッコ:おーーー!
ゆみこ:第一段落、第二段落と進んで、今日は英語のセンター試験の第四問の第三段落です。
では、最初の英文です。
Table 1 shows the percentage of paintings with selected foods.
簡単でしたでしょうから、さっくり解答お願いします。
ラッコ:はい。
≪誤≫Table 1 shows the percentage of paintings with selected foods.
S ③ O ← ap n adp a ← n
with selected foodsは動詞のshowsにかかります。
ま、楽勝ですな。
ゆみこ:おいおい。また意味を取らなかったでしょう。
ラッコ:へ?
ゆみこ:構文解析した通りに訳してみてください。
ラッコ:ええと、「表1は選択された食事で絵のパーセンテージを表します…」
with selected foodsは前のpaintingsを修飾しているのか…。
ゆみこ:そうですね。
簡単な文でも意味を取らないとだめですよ。
文脈の流れが分かるから、構文が難しかったり代名詞が多い文も、理解
できるんだから。
文脈が分からないと、意味が確定しない文もありますよ。
ラッコ:まあ、つまり急がば回れですね。
ゆみこ:そういうことです。
訂正した構文解析は、こちらです。
Table 1 shows the percentage of paintings with selected foods.
S ③ O ← ap n ← ap a ← n
では、次に行きましょう。
The researchers discussed several findings.
ラッコ:いきなり解答です。
The researchers discussed several findings.
S ③ a → O
簡単です。
単語さえ知っていれば、大学受験というより高校受験ですな。
ゆみこ:そうね。たまにはオアシスのような文があってもいいわよね。
では、サクサク次に進みます。
First, some paintings from these countries included foods the researchers had
expected.
これは、どうかしら?
ラッコ:関係代名詞があるし、一見長い文みたいだけど、結構すんなり出来ました。
First, some paintings from these countries included foods (the researchers had
ad a → S ← ap a → n ③ O S aux
expected).
③
The researchers had expectedは先行詞foodsを修飾している形容詞句で、
関係代名詞が省略されています。
ゆみこ:いいですね。
では、次。更に長い文が来ましたよ。
Shellfish were most common in the Netherlands’ (Dutch) paintings, which was
anticipated as nearly half of its border touches the sea.
ラッコ:これは…文の長さで萎えて、後半ヘロヘロになりました。
as nearly half of its border touches the seaが分からなかった。
このasは前置詞ですか?
ゆみこ:え? ではas以下を句に取ったのですね。
ラッコ:こんな感じかと…
≪誤≫as nearly half of its border touches the sea
adp ad → n ← a a a n
で、itsもborderもtouchesもseaを修飾?? っていうか、後半分からないから
適当になっちゃった。
ゆみこ:ここのasは接続詞です。それにseaの前に冠詞のtheがあるということは、
その前で切れているほうが普通ですよね。もちろんso とかsuchとかに
引っ張られたり、all みたいな特殊な例もあるけど、この文はそれに該当しない
しね。
touchesもtouchの三単現のsがついたものだと気づけなかったのかな?
ラッコ:うーーん 分からないと思考停止しちゃうんだよね。
ゆみこ:確かに長い文が来ると、戦う前からやられた気になります。
そして、実際に戦ったら、やっぱり強かったみたいな…?
ラッコ:そうそう。
ゆみこ:構文解析はこうなります。
Shellfish were most common in the Netherlands’ (Dutch) paintings, (which was
S ② ad → aC adp a → n S aux
anticipated 〈as nearly half of its border touches the sea〉).
–③ 節 ad → S ←ap a → n ③ O
in the Netherlands’ (Dutch) paintingsの副詞句はmost commonにかかります。
which was anticipated as nearly half of its border touches the seaは関係代名詞の
形容詞節です。
先行詞はShellfish were most common in the Netherlands’ (Dutch) paintingsの
全体、つまりカンマの前の一文にかかります。
as以下の副詞節の説明はもういいわね。
ラッコ:あれ? in the Netherlands’ (Dutch) paintingsはwereではなく、most commonに
かけるんですか?
ゆみこ:ええ。だって、オランダの中で最もありふれているんでしょ?
ラッコ:そういうことですか…。構文解析って細かい!
そこまでやらないとダメなのか~!
ゆみこ:どうどう 落ち着いて…。
日本語だって、かけるとこ間違えると意味が異なるじゃないですか。
だから、修飾される言葉と修飾する言葉は近くに置いた方がいいとか、点を打って
分かりやすくするとか…。
英語も同じです。
日本語で出来ていれば恐れるに足らずです。
ラッコ:それって日本語も勉強しろってこと??
ゆみこ:必要な人もいるでしょうね……
深入りする前に次の文に進みます。
Second, some paintings did not include foods the researchers had expected.
ラッコ:これは前の文に似ているから楽勝。
Second, some paintings did not include foods (the researchers had expected).
ad a → S aux ad → ③ O S aux ③
the researchers had expectedの先行詞はfoodsで、関係代名詞が省略されている
形容詞節です
ゆみこ:OK。では、次です。
Shellfish and fish each appeared in less than 12% of the paintings from the United
States, France, and Italy although large portions of these countries border oceans or
seas.
ちょっと長いですね。
どうでしたか?
ラッコ:これも長さに負けました(涙)
後半グダグダです。
ゆみこ:どれどれ? ダメダメな所だけ教えて。
ラッコ:≪誤≫although large portions of these countries border {oceans} or {seas}.
adp a → n ← ap a a a n + n
で、theseもcountriesもborderもoceansとseasにかけたんです。
ゆみこ:なぜalthoughを前置詞に???
ラッコ:なんか…接続詞以外もあったような…
ゆみこ:それはalthoughではなくてthoughでは?
それに、thoughは接続詞でない場合、副詞になることはあるけれど、前置詞は
ないですよ。
ラッコ:それに動詞らしきものも見当たらないから…
ゆみこ:動詞はborderです。
ラッコ:ええ! 動詞もあるの?! さっきの文では名詞だったよね。
ゆみこ:ささ、辞書で調べてください。
ラッコ:あっ 本当だ。 「接する」って意味か…
ゆみこ:もう一つ疑問なのは、countriesをどうして形容詞に取ったんです?
ラッコ:いやー 形容詞的に使う名詞かな…って…
ゆみこ:確かにcountryが形容詞的に他の名詞を修飾することはあります。
でもcountriesは明らかに複数形ですよね。
ラッコ:あれ? 複数形だと何かダメなの?
ゆみこ:これだから…(#^ω^)ピキピキ
あのね、伊藤和夫先生の本に書いてあるでしょーーー!!
『ビジュアル英文解釈』の17の焦点です。
もしくは、『英文解釈教室入門』の26ページのQ&Aに書いてあります!!
ラッコ:べ…べ…勉強しておきます…
先生も落ち着いて下さい。
ゆみこ:おっと、失礼いたしました。
では、全体の構文解析出しておきます。
{Shellfish} and {fish} each appeared in less than 12% of the paintings from
S + S ad → ① ← ap ad → n ← ap n ← ap
{the United States}, {France}, and {Italy} 〈although large portions of these
n n + n 節 a → S ← ap a →
countries border {oceans} or {seas}〉.
n ③ O + O
数字の前のless thanは一つの副詞と考えています。
さて、次です。
Chicken, a common food, seldom appeared in the paintings.
これは簡単でしょう。
ラッコ:そうだね。
Chicken, a common food, seldom appeared in the paintings.
S a → S ad → ① ← adp n
Chickenとa common foodが同格
ゆみこ:あと残り3文です。
Third, some paintings included foods the researchers had not expected.
これも今までの文が分かっているのであれば、解説いらずね。
でも、一応お願いします。
ラッコ:ほいきた。
Third, some paintings included foods (the researchers had not expected).
ad a → S ③ O S aux ad → ③
これも関係代名詞が省略されていて、the researches had not expectedが先行詞の
foodsを修飾する形容詞節です。
ゆみこ:次です。
For example, among German paintings, 20% of them included shellfish although
only 6% of the country touches the sea.
これもalthoughがあるけど、どうだったかしら?
ラッコ:もちろん、間違えた。
一回思い込むとダメだね。
ゆみこ:そうなのよね。
前に出た文と似ているからサクッと解答いっちゃいます。
For example, among German paintings, 20% of them included shellfish 〈although
adp n ap a → n S ← ap n ③ O 節
only 6% of the country touches the sea〉.
a →S ap n ③ O
ラッコ:次はラストだね。
ゆみこ:そうです。
Also, lemons were most common in paintings from the Netherlands, even though
they do not grow there naturally.
今度はalthoughじゃなくてthoughがあるけど、どうだった?
ラッコ:thoughはeven thoughだから節って分かったよ。
節の中の主語と述語もthey do not growで中学英語レベルだしね。
ゆみこ:では、解答をお願いします。
ラッコ:≪誤≫Also, lemons were most common in paintings from the Netherlands, even
ad S ② ad → aC ← adp n adp n ad
〈though they do not grow there naturally〉.
節 S aux ad → ① ← ad ad
from the Netherlandsはwereにかかる副詞句です。
evenはthoughから始まる副詞節全体にかかって強調しています。
thereもnaturallyもそれぞれgrowを修飾している副詞です。
ゆみこ:またまた!
from the Netherlandsが修飾しているのはpaintingsよ。
ラッコ:あちゃ 形容詞句か。
構文解析終わると、ついホッとして、意味取るのを忘れちゃうね。ハハハ
ゆみこ:忘れてもいいから、思い出したら絶対に戻ってちょうだい。
本当は構文解析したその場で意味を取るのが理想だけど、頭が疲れてショート
していたら、一度休憩しても構わないんだし…。
ラッコ:えっ そうなの?
ゆみこ:むりくりやっている時は息も止めていたりするし、そのままやり続けたら酸欠で、
さらに頭が回らないわよ。
ラッコ:そんなもんかな?
ゆみこ:そんなものよ。
それに、一度書いた構文解析は逃げないから、また一から英文を読むのとは、
わけが違うしね。
では、改めて構文解析を書いておきます。
Also, lemons were most common in paintings from the Netherlands, even 〈though
ad S ② ad → aC adp n ← ap n ad 節
they do not grow there naturally〉.
Saux ad → ① ← ad ad
in paints from the Netherlandsの副詞句は、most commonにかかります。
evenはthoughから始まる副詞節全体にかかって強調しています。
thereもnaturallyもそれぞれgrowを修飾している副詞です。
では、なんだかんだで第三段落も終了です。
次回は2019年英語のセンター試験構文解析シリーズのラストの予定です。
お楽しみに~♪
構文解析の記号
主語 S
動詞 第1文型 ① 第2文型 ② 第3文型 ③ 第4文型 ④ 第5文型 ⑤
受動態の時は数字の前に「-」をつけて下さい。
目的語 O
補語 C
助動詞 aux
名詞 n
形容詞 a どの言葉にかかっているのか分かるように→で示すこと
形容詞句 形容詞句の始まりにある前置詞の下にapと記入し、それ以外の句の構成要素に
ついては、通常通り品詞を記入
副詞 ad どの言葉にかかっているのか分かるように→で示すこと
副詞句 副詞句の始まりにある前置詞の下にadpと記入し、それ以外の句の構成要素に
ついては、通常通り品詞を記入
接続詞
等位接続詞 +
等位接続の場合は、どれとどれが等位になっているのかを示すこと
{ }and { }
従属接続詞 接
形容詞節 ( )
副詞節 〈 〉
名詞節 [ ]