読書案内 ラダーシリーズの『クリスマスキャロル』
今日紹介する本は、12月ということで、ラダーシリーズの『クリスマス・キャロル』です。
ラダーシリーズというのは、以前のブログにも紹介しましたが、再度解説しておきます。IBCパブリッシングより出版されている英語学習者の多読用の本で、語彙制限されています。語彙の多さでレベル別になっており、一番易しいレベル1からレベル5まであります。今回の『クリスマス・キャロル』はレベル2であり、語彙は1300語レベルで、英検3級以上の読者を対象としています。巻末には単語リストもついていますが、文法の方は制限されていないので、ある程度分かっていないと難しく感じるかもしれません。
それでは、本の紹介です。『クリスマス・キャロル』はチャールズ・ディケンズの作品です。物語の主人公は、スクルージ&マーレイ商会の経営者である、スクルージという名の老人です。彼は、とてもケチで冷たい人物でした。ある晩、7年前に死んだ共同経営者のマーレイが幽霊として現れます。マーレイは、これからスクルージのところに、過去・現在・未来の精霊が現れると予言して消えていきます。
過去の精霊は、スクルージの過去へと連れていき、スクルージが、まだ人を信じていた頃のことを思い出させます。現在の精霊は、ケチで冷たいスクルージの会社に勤めている人や親戚達の様子を見せます。クリスマスだというのに家族とゆっくり祝えない従業員や、何度も断られているにもかかわらずスクルージをクリスマスに招待してくれる優しい甥の姿を見せられます。そして、最後に未来の精霊が、誰にも看取られることもなく死んでいった後のみすぼらしいスクルージの墓を見せます。その結果、スクルージは改心して、心暖かい人物になり、皆と楽しくクリスマスを祝います。
クリスマス・キャロルの話は、子供向けのイメージがあり、オチが先に予想されるような話ではありますが、物語の結びの方で、後にスクルージほどクリスマスの祝い方を知っている者はいないと人々に言われるようになったとの文章が出てくると涙が出てきます。もう一つ、クリスマス・キャロルの中でお気に入りの所は、たとえ何度も断られようとクリスマスに叔父を誘う甥のやさしさです。ハッピーエンドで終わる所も好きな理由です。たとえ英語の勉強のために読むのであっても、読んだ後に幸せな感情が湧き上がってくる本が、いい気がするのですが、どうでしょうか?
12月開催する英文解釈教室入門講座はまだ募集していますので、興味のある方は参加してください。
クリスマス特別講座 通常3日間のコースを2日間で行います
第一回 12月23日(土) 10:00~15:00
第二回 12月24日(日) 10:00~15:00
途中で昼食休憩を1時間ほど取ります。
2回で全ての解析を終了させる予定ではありません。2回目終了後、全文の解析例をお渡しいたします。