読書案内『The Marvelous Village Veiled in Mist』

The Marvelous Village Veiled in Mist』  

 

この本は柏葉幸子さんが書かれた『霧のむこうのふしぎな町』を英訳したものです。講談社英語文庫には、この本のように、日本語を英訳した本が数多くあります。日本語の本の方を読んでいないのですが、多分、小学生向けの本なのでしょう。英語も簡単ですし、巻末に訳注もついていて読みやすいです。

あらすじは、小学生の女の子が、父親から行くように勧められたMisty Valleyで、一夏過ごす話です。主人公のリナは、父に、とにかく行ってごらんと言われ、一人ど田舎の駅に降り立ちます。しかし、誰も迎えに来ておらず、途方に暮れます。村人にMisty Valleyについて尋ねても、知らないとのことで、交番へ連れて行ってもらいます。やっとMisty Valleyへの道が、あるらしいという場所まで、その場所を知っている村人にトラクターで送り届けてもらいます。言われた方へ向かって森の中を歩いていくと、大事なクラウンの取っ手が、ついた傘を落としてしまいます。その傘を追いかけて森を歩いている内に、Misty Valleyに、いつの間にか着いていました。その町は、建物が数件しかない町で、不思議が至る所に溢れています。リナはその街に一件しかないペンションに泊まるのですが、そこの女主人が世話をしてくれると思ったら大間違い、その街の「働かざる者食うべからず」という格言に則り、町にある本屋等のお店に手伝いに行かされます。そこでの体験を通して、誰かに世話になるのが当たり前だったリナが、しっかりと成長していく姿が描かれています。

児童向けファンタジーなので、話が単純と言えば単純ですし、特別な冒険が待っているわけではありません。ですが、基本的に登場人物が皆、良い人ばかりで、読んでいて、ほのぼのします。大人になると、好きな人や、子供に読み聞かせをしている期間は別ですが、児童文学からは遠ざかってしまうと思います。たまに読むと、小さい時に読んだ本を思い出したりして、懐かしい気分に浸れます。日本語で児童書を、いまさら読む気にならなくても、洋書なら、英語の勉強ついでに読む気になれるのでは、ないでしょうか。ぜひ、リナと一緒に小学生の自分に戻って、不思議が日常だったころを思い出してみては、いかかでしょう。

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