読書案内 國弘正雄先生の『英語の話しかた』
今日紹介する本は國弘正雄先生の『英語の話しかた』という英語の勉強法について書かれた本です。國弘先生は、同時通訳の神様と言われ、ネイティブにも英語を褒められるぐらいの英語の達人の一人でしたが、惜しくも数年前にお亡くなりなりました。
先生の勉強法で一番有名なのは、「只管朗読」という勉強法で、英文の文法(構文)、意味が分かっているものを500回音読するというものです。
巷には多くの勉強法があり、ついついもっと効率的な勉強法があるのではないかと、勉強法を探すほうに時間をかけて、実際の勉強やトレーニングに時間をかけないことがあると思います。私も、新しい参考書をチェックする趣味の延長で、ついつい新しい勉強法や、効率的なんて言葉を見ると、心が躍る一人です。しかし、この本を読むと、勉強法云々よりも、愚直にやることが最後には力になることを思い出させてくれるのです。自分への戒めのためにも、すぐ手に取れる場所に必ず置いておくようにしています。
ただ、只管朗読の注意点として一つ上げておきます。理解している英文でないと意味がないということです。意味はもちろんのこと、文法的にも把握していなければ、力はつきません。本にも書かれてはいるのですが、さらっと書かれているので、中には何でも英語を繰り返し読めばいいと思う方もいるようなので…。
戦前生まれの國弘先生は、英語を勉強する教材が整っていない環境におられたと思います。しかし、やる気さえあれば、どんな環境でも英語の達人になれるということを実証されています。何事も、一番大切なのはやる気なのだなと思うのです。