『The Artist’s Way』 Julia Cameron著

今日は多読用の本の紹介です

The Artist’s WayJulia Cameron

 この本は和書に翻訳されていて、『ずっとやりたかったことを、やりなさい』というタイトルで出版されています。著者のジュリア・キャメロンは、映画や舞台の脚本から小説、詩まで書くという様々な活動をしているアーティストです。また、他の人の創造性を高めるワークショップを開催しており、この本は、その創造性を高めるためのワークブックです。

 12週間のプログラムで、毎週、課題が出ます。そして、ワーク中続けるように促されるのが、モーニングページとアーティストデートです。モーニングページは、毎朝、ノートに3ページ手書きで書くことです。内容は何でもOK。本当は、ワークの12週間が終わっても続けるように推奨されています。実際、ジュリアは続けていますし、他の続けていてモーニングページから恩恵を受けている人のエピソードも書いてあります。

 もう一つのツールのアーティストデートは、自分とのデートの時間を毎週持つことです。デートに丸一日空ける必要はなく、2時間程度で構いません。デートだからといって特別お金がかかる場所に出かける必要もありません。大切なのは、fun、つまり楽しい時を過ごすことが大切なのです。

 基本的には、目次がWeek1: Recovering a Sense of SafetyWeek 2: Recovering a Sense of Identity…となっているように、アーティストとしての自信を無くしてしまった人のためのワークの形を取っていますが、著者はアーティストという肩書を持っていなくても、全ての人がアーティストであると考えています。実際、何がやりたかったことなのかを見失ってしまった人にも為になる内容でしょう。

 英文の構文は難しくないのですが、ラダーシリーズの次の洋書としては単語のレベルがぐんと高くなります。また、洋書は大きな本で200ページ以上ありますので、お手軽にどうぞという感じではないかもしれません。しかし、和書も出ていますので、それを参考にしながら読むというやり方で読めば、読み進められると思います。ただし、和書には原書にある格言が全て抜けているのと、若干の変更と削除があります。

 実際、原書を読みながら12週のワークをやるのは、ハードルが高いかもしれません。しかし、モーニングページとアーティストデートだけでも、色々気づきをもたらしてくれますので、最初のツールの紹介ページを読んで、それだけ実行し、それ以降は英文で読破することに集中し、読み終わったらワークを始めてもいいでしょう。もしくは、ワークは和書でやり、原書はあくまで読書としてゆっくり自分のペースで読んでもいいかもしれません。

 最後にワークをやってみた感想ですが、モーニングページとアーティストデートが一番パワフルに気づきをもたらしてくれたと思います。以前から感情が激しい時、特に腹が立っている時は、紙に書き出すようにしていたのですが、毎日書き続けるのは初めてでした。日記も書いたことがなかったのですが、3ページ書くのは、そんなに苦ではなく、朝書き出すことで頭がスッキリし、自分が考えていることを客観的に知ることができました。本当は、ずーっと続けるといいのでしょうが、終わったらやめてしまいました…。でも、また何か問題がでてきて突破口が見つからなくなったら、3カ月書き続ければヒントが湧いて来ると思います。

 私にとっては、モーニングページよりもアーティストデートを続けるのが難しかったです。ワークに取り組んでいた頃、1週間に2時間取れないほど忙しかったわけではないのですが、ついつい自分に時間を割くことを後回しにしてしまいたくなるのです。つまり、日ごろから自分を大切にしていないということですね。アーティストデートこそ、まだまだ続けないといけないのかもしれません。

 洋書は余白が多いので、分からない単語を余白に書き込んでおけば、繰り返し読んでワークすることも可能だと思います。一度やったら、もうやる必要のない本とは違い繰り返しワークするのに値する本です。繰り返す時には、本の内容の理解と同時に書いてある単語も分かるものが増えていたら自分の英語力の向上を確信できるのではないでしょうか。

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